ブログ2023.06.06

日本の住宅は低性能?~その2~

こんにちは🐷A-woodhome(エーウッドホーム)の荒木です!

前回、わが国の住宅の性能は先進国のなかで、かなり低いレベルにあるということをお話ししました。
前回に引き続き今回は、
『なぜ日本はこんなに遅れているのか?』
『他の先進国の様な断熱性能がなぜ必要なのか?』

ということについてお話ししていこうと思います!

-なぜ日本の住宅の断熱性能は遅れているのか?

理由は大きくふたつあると考えられています。

まずひとつめは、日本の気候に対する住宅の在り方についての考えです🏠
高温多湿、さらに梅雨という蒸し暑い独特な気候を持つ日本では昔から風通しの良い家が理想とされてきました。さらに日本は温暖だという先入観から緩い基準が設けられてしまいました。
しかし現在の日本はかつての気候とはかなり変わり、夏は40℃近く気温が上がることもあれば冬は氷点下になることもあります。気候は変化しているのに家のつくり方は変わることなく、昔の家の在り方をいまだに引きずっているのです

ふたつめの理由は、住宅着工棟数の減少による景気の悪化を恐れたことです。
実は、2015年の時点で2020年までに断熱義務化を行うことは閣議決定されていました。しかし、直前になってそれは中止されてしまいました。理由は…
『中小工務店の未習熟』です。
つまり断熱性能適合についていけない中小工務店の着工棟数が減ることで、日本全体の住宅の着工棟数が減少、その結果景気が悪化する、という考え方です。実際に当時は、断熱性能の適合に対応できない中小工務店から猛反発があったみたいです😣
そうして着工棟数の維持を優先した結果、現在では8棟に1棟が空き家ということになってしまいました。もちろんそのほとんどが性能の低い住宅です⛄

そういった理由から、日本の住宅性能に対する考え方はないがしろにされたまま、他の先進国に置き去りにされるまでになってしまいました😨

-なぜ他の先進国レベルの断熱性能が必要なのか?

ではなぜ現状の日本の断熱性能では足らず、他の先進国レベルの断熱性能が必要なのか?

もちろん断熱性能の向上によってエアコン効率が上がり、冷暖房費の削減といった経済的なメリットもありますが、一番考えて欲しいことは健康的なメリットについてです😀

皆さんは家の中にいる際、リビングから廊下へ出たときや、脱衣所、トイレが寒い😖と感じたことはありませんか?
事実、日本ではそれが原因で家庭内事故死をしてしまう人が毎年大勢いらっしゃいます。
ヒートショック』という言葉を耳にしたことはありませんか?これは部屋間の急激な寒暖差により血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることを言い、このヒートショックが原因で亡くなる方は年間数万人にものぼり、交通事故でお亡くなりになる方の数倍もの数になります。
そして、現在の日本で一般的に普及している住宅の断熱性能ではそのような家庭内事故が起きるリスクを抱えていることも現実なのです😣

英国建築研究所が開発した住宅の健康安全性の評価システムによれば、人体に健康的な室温は21℃とされており、18℃から健康リスクが現れ、16℃以下では深刻なリスクが現れるとされています。結構ショッキングな内容ですよね😲😲
しかし、2025年から私たちが暮らすこの地域で適合が義務化される基準値(UA値0.87W/㎡k)ではこのリスクはなくなりません。真冬には室温が一ケタまで下がる家になります。
そんな住まいを変えていくことが、家族の健康へと繋がっていくのです😊

英国保健省年次報告書 2010.3

以上が他の先進国レベルの断熱性能が必要だとする理由です。
いかがですか?現在の日本の住宅の断熱性能のレベル、そして、断熱性能が健康で快適に暮らしていく上でいかに重要なことであるか、ご理解頂けましたでしょうか。一度建ててしまった家の断熱性能を改善、向上させることはとても大掛かりでコストがかかってしまいます。

是非、建てる前に、家づくりを検討している段階で、『家の性能』について考えてみてください!


と、ここまでは断熱性能がいかに重要かということについてお話ししてきました。
しかし、実は断熱性能だけを高めるだけでは真の高性能住宅、快適な暮らしは実現しません。
次回は、断熱性能とは切っても切れない存在、『気密性能』についてお話ししていこうと思います😃